1 体の病気を治してほしい |
心理的な原因による症状は催眠療法が得意としている分野ですが、肉体的な原因の場合は、催眠療法による効果は全く期待できません。 従いまして、体の病気そのものは医師にご相談下さい。
なお、催眠療法は医療行為ではありません。
もちろん、健康保険も使えませんので、ご了承下さい。 |
2 過去の記憶を消してほしい |
「別れた恋人のことを忘れさせてほしい」
「子供の頃の嫌な記憶を消してほしい」
誰にでも忘れてしまいたい記憶はあると思いますが、記憶そのものを消すことは、催眠療法では不可能です。
仮に一時的に忘れさせることができたとしても、すぐに記憶は蘇りますので、何の解決にもなりません。
記憶というものは、忘れようと必死になって忘れられるものではありません。いつの間にか自然に忘れてしまうものなのです。
しかしながら、相談者のつらさも十分に理解できます。
ですから、記憶そのものを消すのではなくて、「過去の思い出の一つ」「消さなくても平気な記憶」に変える手助けを催眠療法で行っているのです。 |
3 催眠を使って相手に白状させたい |
「相手の浮気を白状させたい」
「何か隠し事があるようなので、事実を知りたい」
時々このような相談がありますが、催眠で白状させることは困難です。
・催眠をかけるには、相手の同意が必要。(人権の問題)
・仮に催眠にかかっても、都合の悪い事はあまり言わない。
・催眠にかかった振りをすることもできる。
・白状した内容が事実とは限らない。
従いまして、催眠を使う必要性はほとんどないとご理解下さい。
ただし、上記説明を納得した上で、希望される方には、催眠を行うこともあります。 |
4 本人の意思に反して変えたい |
「娘の勉強嫌いを直したい」
「息子の暴力・非行を止めさせたい」
「夫の喫煙・飲酒を止めさせたい」
「妻のギャンブル好き・買い物好きを直したい」
このようなご相談はよく寄せられます。
しかし、ここで大事なのは本人の気持ちです。本人に変わりたいという意思がなければ、催眠療法ではどうすることもできません。無理やり催眠療法所に連れて行き、無理やり催眠を受けさせたとしても、変わることはあり得ません。効果が出ないだけでなく、逆効果になる可能性すらあります。
ですから、催眠療法は本人の意思を確認した上で行わなければならないのです。
このようなご相談の場合、まずは家族の方が本人に問題意識を持たせることが先決だと考えます。
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5 願望を実現させたい |
「Aさんに自分のことを好きになってほしい」
「心移りした恋人の気持ちを自分に戻したい」
「パチンコ・競馬等のギャンブルで勝ちたい」
「宝くじで1億円当てたい」
このような願望は誰でも持っているでしょうが、催眠療法の有効性については疑問です。
「強くイメージした事は必ず実現する」という考え方もあるようですが、通常の心理学の世界では肯定されていません。
ただし、上記説明を納得した上で、希望される方には、催眠を行うこともあります。 |
6 超能力の開発をしたい |
スプーン曲げ・透視能力・予知能力・霊能力といった超能力を催眠療法によって開発できないか、という相談です。
成功するとは思えませんので、基本的にはお断りしています。 |
7 単に前世が知りたいだけ |
催眠を使えば前世の事が分かるのか、という質問が寄せられます。
催眠で思い出した前世の記憶が、本当の事実かどうかは誰にも分かりません。
本当かどうかが重要なのではなく、その事実を自分なりに受け止め、それによって心が癒されることが大事だと考えます。
「前世療法」の本来の目的は「癒し」です。
「前世療法」は必ずしも前世を肯定しているわけではありません。
最近では「年齢退行催眠」「前世療法」を希望される方が増えてきています。
ただ、注意しなければならないのは、誰にでも効果的とは限らないという事実です。
行う必要性が十分にあり、深い催眠状態に入る方であれば有効かもしれませんが、ほとんどの場合は通常の催眠療法で改善していく方が効果的だと言えます。
ですから、前世療法で全て解決できるという考え方には疑問を感じます。
日本催眠協会では、希望される方に対して、必要に応じて「年齢退行催眠」「前世療法」を行っております。
「用語説明」項目5もご参照下さい。 |